キスさんは?

......
およそ半年間、5ヶ月以上も釣りをしていなかった。
ということは、別のことが忙しかったからだ。

苦労あってシカの侵入を、くい止めた。
となると、安心して花の苗を植えられる。
庭を思い通りのかたちにできるのだ。


限られた時間を、釣りに費やす訳にはいかない。
そもそも海は逃げないし、
いつでも迎えてくれる。
だから庭の手入れに没頭し、たちまち時を失ってしまう。



定置網を引揚げていました。

どんな魚がかかっているか、この目で確かめてみたく
なりました。

大きなタモの中には、
デカマダイにスズキなど、ずっしり。

ワタシがシカ対策に追われることなく、思う存分海に
出ていたら、どうなっていたでしょうか、

タモの中のあのデカマダイ一匹と、スズキ一匹は
恐らく、わが食卓に上っていたに違いありません。

ええ、そう思うだけで、気持ちが安らぎますから







10日間の五月の連休。
これだけ長い滞在であれば、一日たっぷり釣りが
できるだろう。
キスの仕掛けを16本も作ってあるから準備万端。

先月まで漂っていた海からの嫌な匂いも
なくなったしね。
ところであの匂いは津波で破損した養殖筏からか、
それとも逃げ出した魚の死骸臭か、ともかく
あの生臭さといったら鼻について離れなかった。

さて久しぶりに釣りだ・・・
というわけにはいかない。
一年で最高の季節がそこにある。
次々とお客が訪れ、嬉しい悲鳴だ。
やらねばならないことも、次から次と沸いてくる。


もう釣りはできないな、と思った。
今回もお預けだなと諦めた。

ただ、お客が帰った後に残された大量の残り餌、
これが頭から離れない。
もったいない・・・海に捨てちゃうなんて

10日目、疲れが溜まって体がドカ〜ンと重たい。
が、未明に起きちゃった。


連休の最終日、天気もよく釣り日和だ。
遊漁船も釣りボートも少ない。
なんと静かなんだ、
こんな海こそボクは大好き。

ああ、しあわせだあ〜



海に浮かんでいると、森からの匂いに包まれる。
森の匂いとはスダジイの花の匂いだ。

スダジイはドングリの木、常緑の木が今を盛りと、花の
黄色に輝く。
毎年感じる春の色と匂いです。

さて肝心のキスですが、思ったように釣れません。

キスの逃げ場となる筏やブイが、年々少なくなっている
せいか、水温が低いのか、あるいは連休中の釣り荒れか、

いつものように自分のウデを疑うことだけは、しません