この10年は

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この10年ちかくはまさに
「堪ヘ難きを堪ヘ、忍び難きを忍び」でした。



庭にカワラナデシコが咲いています。
雑草に混じって咲いています。

この花は派手さはなく質素で、可憐に見えます。
ひ弱そうですが、とても丈夫です。

「なでしこジャパン」と同じですね。

ワタクシも少しまねたいです。
派手さがなく質素なところを、です。

これから心がけることにしましょう。
ちょっと釣ったからといって天狗にならないこと。
あくまで控えめに、控えめに。



まるでウソっぽいかな










仕事上の話になりますが、
いつも携帯電話の着信にビクビクしています。
事故が発生すると、素早く現地に飛ばねばなりません。

規則(法律)では2時間以内に現場に駆けつけること、
となっています。
事故の程度によりますが、初動遅れは、客先だけでなく
近隣にも計り知れない損害を与えます。
いわゆる波及停電というやつ。

それは真夜中のことでした。
客先の遠方監視装置(私の所有)からのメールです。
「○○ビル停電発生」
外は雨が激しく降っています。
事故現場は名古屋の市街地で、重要な施設もあります。


○○ビルは私の責任監視下にありますから、
他のだれかに頼るというわけにはいきません。
事故があれば、雨が降ろうと槍が降ろうと即、出動です。

さて現地に到着し、不安が的中しました。
事故の原因が、客先のビルの受変電設備と判明。
7年しか経過していない遮断器が焼損しています。

電力会社の応援を得て、必死の応急処置で、なんとかビルの
復電を果たしました。
停電が1時間にも及ぶ、近隣を巻き込む大事故でした。
これがおよそ3年前の出来事。


もし、この事故が五ヶ所滞在中に起きていたら・・・・と
想像するだけで背筋が凍ります。
五ヶ所では遠すぎます。
初動対応の遅れは命取りとなるからです。

ワタシの契約先は多いときで60件以上もありました。
(欲ボケの結果ですが・・・)
すべてワタシ、ひとり親方の個人契約となってます。

それら客先の電気トラブルは、程度の差はあれ、
「事故発生」のメッセージとなってメールで送られてきます。
(メール以外は、お客からの直接電話となります)

メールは24時間、リアルタイムで携帯電話に着信します。
一月に一回程度、多いときは一月に3、4回も着信したことが
ありました。


今までの10年間を振り返り、五ヶ所滞在中に「緊急呼び出し」は
合計で7回ありました。

キス釣りで、最初のアタリで喜んだそのとき、携帯が鳴った着信は
いまでも鮮明に覚えています。

さあ五ヶ所に着いたあー、と雨戸を開けていた途中に鳴った
着信も鮮明に覚えています。

手の大怪我で、志摩病院の入院中に鳴り続けた着信も、生涯
忘れないでしょう。


もはや職業病でしょうか、
メールの着信音が鳴ると、条件反射で心臓が波打ちます。

少しでも嫌な思いをしたくないので、携帯メールは、遠方監視装置
以外は着信させないようにしています。

とにかく携帯メールを、聞くのも、見るのも、すべてイヤ!
ですから、いまだに携帯のメールのやりかたが分からない(笑)

まあなんですよ、五ヶ所に来て、ただでも落ち着かないのに、
さらに舟を出し、海に出るっていうことは、心臓がいくつあっても
たりません。

神経衰弱から身を守るにはせいぜい、携帯着信率の低い時間帯
に限ります。 
夜中を除くとなると、未明か夕方過ぎが比較的安心できます。

しかし長居は、よくありません。
さっと出かけ、さっと帰ってくるのがいい。
危ない橋を渡っている訳ですから、素早く終えたいですね。



ずいぶん前置きが長くなりました。
ささっと、未明に舟を出したのはセオリーどおりでした。
ただ釣れないのに、ささっと帰るわけにはいきません。

毎回「船外機トラブル」という手は使えないし、

連休初日だから「場荒れのせいだ」という手も使えないしなあ・・・



先回は釣れなかったから、最初から場所を変えてみた。
ちっともアタリがない。

長居はしないタチだから、先回の場所に移動しちゃった。
でも、ちっともアタリがない。

先回と同じだ、豆アジがスレで引っ掛かるだけだ。

帰ろうかな、と思いました。
海面が朝日で照らされると、終了のサインです。

と、いきなりでした。
竿先が水中にズボン!

デカアジはいつもこんなふうにやってきます。
ウデは未熟、でもすごく運に恵まれています。

控えめだなあ、ボクは