出直し(11月13日(月曜日)


新しい竿を使いたいばかりに、
前回より三日しか経っていないのに海に出ます。 

本日を逃すと風や温度低下などが一週間も続きそうで、
やっぱり今日なのです。


もくろみは、40cmクラスのマダイ一匹とアオリイカ2杯、
300年に一度のメイジンとしちゃあ、控えめであります。


はやる気持ちを抑え、実績のある湾外へ。
途中でウロチョロせず、一番遠くの漁場へと走りました。





はるか向こうの米粒ほどの島は、南島地域の筆島でしょうか、
ずいぶん遠くに来たもんです。



一時間以上も走らせてきたからには、
おいそれと戻るわけにはいきません。


さてさて、新調のティップランロッドの洗礼は、
なんと、
グィ〜ンと締め込む超重量級!


あちゃー やっちゃった♪

瞬時に頭をよぎったのは、ナカニシ名人たちの
困惑した顔、顔、顔でありました。



しかしそれももつかの間、
彼等の顔はヨロコビに豹変です。



あれぇー なんだこれ?

ジャンボサバフグかい!

エギの胴体は噛み傷でボロボロ、カンナ(針)はグニャグニャに、

このエギにどんだけの銭を払ったでしょう。


サバフグから逃れるため浅場へ寄れば、
なんと、一発目で根がかり。

貴重なエギがあえなく消失・・・

う〜む
一時間以上も走らせてきたからには、
おいそれと戻るわけにはいきません。




タイラバに切り替えて気分転換です。

しかし、水を切って上がってくるのは、
フックにからまったネクタイの仕掛けだけで。


むなしい

この広い海原にカゴメがいなく、魚探もなく、
いったい何を目標に、どこに行けばいいのでしょう。


むなしい

しかし一時間以上も走らせてきたからには、
おいそれと戻るわけにはいきません。


オロオロと近辺をうろつく他ありません、
もうお昼も過ぎたというのに。


このむなしさを、
吹き飛ばす機会は来ないのか。




やって来ました♪

いつも貴重な情報を寄せていただいている
ミナミ先輩。

時間はお昼もとっくに過ぎた2時過ぎです。

いまから出勤で、シオ(カンパチ)を狙いたい
ということです。


わたくしめの悲運に、

「いまから、いまからですよ、大物が待っています、
大丈夫、がんばってください」

しっかりと慰めていただきました。


そして意気投合したのは、

「むしろ水揚げが何もないほうが、後片付けが
楽で、さっぱりして気持ちイイですよねえ」

「うんうん、そうそう さっぱりが一番だよねえ」

ううう うれしき釣り友よ(涙)・・・


しかし、後で知ったのは、

うれしき釣り友は夕暮れ時に、
デカアオリを2杯キープされたわけで・・・



日が西の山に傾き、
帰りを待つトンビが、さかんに餌の催促をしています。

「ピーヒャラ ピーヒャラ、オイどうしたジジイ」


ワタクシは全てに背を向けたい、
孤独を愛したい、

そして静かに出直しの旅に出たいと思うのです。


ええ、
すぐにでも





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永久に記憶(11月20日(月曜日)




甥たちがマダイを釣りたくて名古屋から来ました。

タイラバ専用の竿を新調し、一刻も早く使いたくて、
ウズウズしていたようです。

むだづかいたつお君はダイワ製の廉価版、

ひとりじめなおす君はシマノ製の廉価版。


メイジンを尊敬するあまり、
ワタクシのものより少し安めの竿とした点は
「とりあえず良し」としましょう。

さて本日の二人、
一週間前に予定した日が雨で延期となって
今日となった訳ですから、その張り切り様ときたら。



さっそく本日の釣果をご報告しましょう。



エー

50cm越えは、 ひとりじめなおす君

彼は、黙々と合計7匹を釣り上げました♪


エー

むだづかいたつお君は、40cm超えと30cm超えの2匹♪

彼は生まれてからこの方20cm以上のマダイを
釣ったことがなく、
それがこの結果でありますから。


黒っぽい3匹の底物?

これは、むだづかいたつお君が釣ったもので、
4匹目からは、ワタクシの助言で放流を繰り返していました。



時間は午後2時頃、上げ潮のチャンスなのに
なぜかワタクシの竿はお辞儀一つしない・・・





そんなとき、
ナカニシ先輩グループがご機嫌うかがいに
現れました。

耳に残った単語の一つ、二つです。

ナカニシ名人、
「今日はダメだった〜
84cmのブリとシオ(カンパチ)だけ〜」

イシカワ名人
「赤が4匹だけ〜」


・・・

傷口に塩

・・・




ワタクシ、
密かに神頼みをし、ラストチャンスに賭けました。

そんなときだった、
隣のむだづかいたつお君の竿がひん曲がり、
「上がらないっ!」 とヨロコビ叫んだのです。


ワタクシ、叔父の地位でとっさに彼の竿を奪い取った。
そして待ちに待った力強い引きを噛みしめながら、


イヒ♪


イヒヒ♪


イヒヒヒ♪



・・・

デカハモでありました(涙)



「おじさん お疲れさまでした どうぞ」

サーモスから注がれた熱いお茶、

それを少しづつ喉に通しながら、
空と晩秋の山を、しんみりと眺めました。







手前がむだづかいたつお君、

向こうが ひとりじめなおす君。

彼等にとって
今日という日は、永久に記憶に残るかもしれません。




ワタクシ
今日という徹頭徹尾完璧ボーズという日は、
永久に記憶に残るのであります。


2回連続KOダウン!




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