バラックの
正面。
手前のスロ−
プは海の出入
りに便利
休日

ホ−ムセンタ−通いが頻繁になったのは、この時期あたりと思う。
前々から欲しいと思っていた道具を、思い切って買い込んだ。
たった一つの道具を買うのにも、4、5軒の店を見て廻っていたから抜か
りはない筈。

同じものでも店によっては値段に違いがあり、安さへのこだわりは半端
じゃあない。
ただ、たくさんの店を偵察するものだから、いったいどこの店が一番安か
ったのか思いだすことができなくて、値札を確かめに又同じ店を訪ねてし
まう。

一つの道具を買うのにこんなふうだから道具の数が増すと、とたんにホ
−ムセンタ−通いも激しくなってくる。
さらにつけ加えると、釘だのビスといった小物は余すのがもったいないか
ら必要最小限の範囲で購入しているのだが、それがどういう訳か、いつ
も決まって足りないのだ。
そこで、又買い足しに出かける事になる。
それも買い足しが一度だけで済めばよいほうで、二度、三度もあるから
オメダタイ。
こういうふうだから、今では欲しい品物がどの店のどのコ−ナ−にあるの
か、すぐにアタリをつけてしまうほど「通」なのだ。
五ヶ所湾に行かない休日は、家にいると皆に嫌われるので朝からそそく
さと出かけることにしている。

「オトウはどこへ行ったの」… と娘どもが、いらんお節介を。
「どうせホ−ムセンタ−でしょう」…と、自信ありげに妻が。
「ふ〜ん……」
「だって、他に行くとこ、ないはずよ」

「ふ〜ん……」
「いなかもんだから、仕方ないんじゃない」

…バカにしやがって。