不作もよし
梅雨があけ、夏本番。
期待はさほどなかったにせよ、ここに通う楽しみの一つは野菜の成長ぶりを確かめることだ。
今回は釣りと菜園が趣味である知人と一緒。
用事がある愚妻は残念ながらお留守番。
知人はさすがに菜園家だけに「畑」をうろつきまわり、腕を組み、しきりに唸っている様子。
遠くで眺めていても、たいそうむずかしそうな顔して観察している。
見方によっては、高学な学者が深く洞察されているようにみえる。

ま、たいがい人間歳を取ると訳ありふうで、威厳っぽくしたがるのかも。
近づいてきて、聞きもしないのに 「肥料不足」 と一言。ささやき声でそっけないようで確信に
みちて。
えらく自信に溢れていそうで、「うるせえ」と思ったが、それも仕方なきこと。
こんな、草ぼうぼうで貧相な野菜たちを目にすると、だれだって「一言」なしには済まされない

いくら自然農法だ、無農薬だ、無肥料だと力んでも、これらの徹底はかなり難しいとなる。
いい加減なところで妥協してるのが本音じゃなかろうか。しかも「純正」自然農法は、ややも
すると「偏屈」農法に見られかねない。どうもこの農法は、今だ少数意見であって世間に認知
されるには先が長そうだ。

知人は無農薬、科学肥料を嫌うものの、肥料だけはたっぷり施すらしい。
多分それも、彼はイモ類の栽培が多いので理に適っているのかも知れない。
ただ、都市近郊の貸し農園であるため、雑草はこまめに抜き取らなければならないそうだ。
でなければ、まわりから白い目でみられるという。
「なまけものだから草ぼうぼうにしている」、と言われないために草むしりに精をだすのだ。
たかが家庭菜園なのに、自由気ままとはいかないらしい。

よかった、よかった。
だれからも見られることのない辺境の「畑」。 我らなまけものにぴったり。



8月1日。草ぼうぼうの畑はむさ苦しさでムンムン。
手前はナスビの苗が一本だけ。
後方はトマトの畝に、防虫ネットを張ってあります。
支柱は市販の合成樹脂製です。
かつては竹を使っていましたが、腐りが早いので切り
替えました。
何でも自然の素材をと考えましたが、すぐに断念しま
す。
しかしこの様相、どこをどうみてもジャングルみたいな
もんでしょう。
愚妻の領域だけに、口は出せても手が出せないのが
くやしいです。
ネットのなかに色づいたトマトが見えますか

手前はかぼちゃ。
つるが伸びているのは、得たいのしれない芋類の
一種。
知人がくれたもので、山芋のような味覚。形は不思
議とボ−ル玉のように丸いのです。
春に植え付けたのですが、そのうち半分は掘り出さ
れて無くなりました
きっとタヌキのごちそうになったのでしょう。

右側のグリ−ンはヨモギの群生です。
害虫の天敵様が快適に過ごされますよう、用意した
ものです。
と、思い込んでしまうと気が楽。
つる性の野菜はは木さえあてがっておけば勝手に
上に上に上っていくのが面白い

つまらない映像ばかりでイヤになってきたとき、これを
見つけたのです。
食われないようにネットで覆っておいたのですが、ネット
からはみ出していても無傷には驚きです。
しかも実った小玉スイカの中でも一番大きなものでした。

さっそく持ちかえって冷蔵庫で冷やし食したところ、うま
いのってなんのって。
もったいないので1/4切れだけいただいて、残りをしま
っておいたのですが、いつのまにか全部食われてしまい
ました。
文句も言わず黙っていました。…
まず、五体満足かどうか心配で
そっとなでてやりました

真夏の昼は昼寝に限ります。
風通しのいい畳のうえでゴロンゴロンしていると、海
風がやさしく肌をなでていきます。
のんびりするには田舎はもってこい。
戸を思いきり開け放ち、パンツひとつでごろ寝してい
ても気遣いは一切無用です。
部屋の真中で、しかも一人っきりで寝転がっていると、
しみじみ幸せを感じるのです。
暑い釣りから帰ってシャワ−を浴びてさっぱり。
冷たいビ−ルを飲んでドタン。
そしていつしか心地よい眠りにつくのです。…
畳の上で大の字で寝ていると、デカイ虫が
飛んできてボトンと腹の上に落ちてきた