初夏
車から降り立てば、なつかしい自然の懐に。
一歩一歩と歩む毎に、ものすごい速さで原始の
森に溶け込む。
足が、手が、目が、鼻が、耳が、全身がすっかり
よろこんで踊りそう。

はやる心を押さえて小道を下ります
出来立てのバルコニ−から眺めていると、世界で
一番幸福ものに思えてくる。
それほど頭ごなしにみる木立の眩しさは、初夏で
、生き物がはちきれんばかりの香りを放ち、目も
眩みそうだ。

ああ、自然とともに。
少年と共に。
バルコニ−からの青葉がまぶしい


1ヶ月ぶりに来てみれば草ぼうぼう。
いくら自然農法のまねごとだといっても、苗を植え
つける場所も無さそう。
仕方が無いので、朝からズ−ト草刈りの様子。
はじめは、はさみなどで横着していたが、手に負え
なくなって鎌を持ち出したようだ。

それにしても無精者にとって「自然農法」とは、
なんとすばらしい響きのある言葉だろうか。
愚妻の領域につき遠巻きで眺むるのみ


海を眺め、しずかな入江のほとりでバ−ベキュ−に
腹を満たす。
酔いが回ってごろ寝が心地いい。
面倒くさいのでバ−ベキュ−はやりたくないのだが、
出来悪後輩がいたので、全て任せる事に。
ただ単に土を少し掘っただけの釜場だが、これが
とてもよい。

それにしても、客人がいると、よくもまあこんなに
キビキビと働くものだと感心する。
まるで我が家の使用人みたいではないか。
皆がご苦労さまとねぎらう。
背中をむけてかいがいしく働く「使用人」