夜明け前


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シカの被害が無いことを祈るばかり、
絶え間なく被害が続くとイヤになります。

およそ一月に一度、五ヶ所に到着する度に経験することは
挫折と悲しみ、そして憎しみ。
一体いつまで続くのだろう。




うんざりするほどの害獣のつめ跡。
でも最近、少し変ってきたようです。

侵入防止の網が食い破れていますが、
敷地内は荒らされていません。
こうしたことが二ヶ月間も続いています。

ようやくわが庭にも春が来るのだろうか、
うれしくてしかたありません。
五ヶ所の夜明けを予感させます。

今まで溜まっていたフラストレーションを一気に吹き飛ばしたい。
気分は待ちきれずに春満開

花の苗をたくさん買ってきました。
安心して植えることができると思うと嬉しくてしかたありません。

車に積んで来たものを少し紹介します。
まず、うどんこ病に強いサルスベリの苗木が4本。

これはですね、神奈川県園芸協会で開発され、
地元の指定農園で育成されもので、
なんと東日本大地震の混乱のさなかに送っていただきました。

まあ、どっちかというと希少品というか、いわゆる特許品でありますね
・・・これを強く言いたかった(すいません)

そんな貴重なものが、一夜にして害獣に・・・・そんなこと
考えたくなるのは ア ナ タ だけ。

さて、サルスベリの他は花の苗が一杯です。
アキレア、ムスマロウ、ブラキカム、ネメシア、アガスターシェ、
アラビスと・・・舌が噛みそうな名の宿根草が「早く植えてくれー」と
叫んでいます。

ワタクシは土を起こし耕す人、
総合指揮と植え付けのオイシイところは別の人、
ええ、写真の人です。 

ついでに写真のなかに、小さな白いものが見えますでしょうか。
夏になるとワタクシが草刈機で誤って花を切らないように
目印として名札が立ててあります。

それほど用心していても、アッと叫んだときはチョーンと
ハネた後で、写真の人をガッカリさせるのね。








さてシカ対策ですが、来るたびに手を加えています。
網が破られていたら補修し、さらに網を追加します。
二重に張る訳ですね。

では、二重に張られた網を破られたらどうするか。
めげることなく三重に張ります。

右の写真ですが、実は黒い網に白い網を追加し
さらに白い網を追加し、三重に張ってありました。
でも、やっぱり不安がつきまといます。

で、どうしたかといいますと
白い網を一枚外して、そのかわりグリーン色の
亀甲金網を張りました。

シカが噛み切るのは地上高1m以下です。
亀甲金網は金属です、これなら完璧でしょう。
さらに念のため、黒い網の少し上、地上高2mの高さに
有刺鉄線を張るぐらいの徹底ぶりですから。









何度もご説明しているように、シカの跳躍力には恐ろしいもの
があります。
静止状態から2mちかく飛び越えると言われています。
助走なしですから呆れますね。

写真の黒いポールの高さは2.1mです。
以前は1.8mでした。
飛び越えた形跡があったので取替えました。
その結果、道路からおよそ2.3mの高さを確保したことになります。

なんでもそうですが、
終えたことを振り返り、反省し、ときには白紙にもどし、
一からやり直すというのは、とってもシンドイことです。

シカ対策に終りはありません。
万一侵入を許し、それは「想定外だった」、と言い訳なんて
できるわけがありません。

どうですこの、すなおなココロと躊躇なきアクション、
ご参考にしていただきたいですなあ。










ところでワタクシの行動スタイルですが、時空を超え、
未来に受け継がれようとしています。

一歳と2ヶ月のバカ孫
お隣の家の壁に立てかけてあったタモを見つけたようです。
こうと思い込んだら一途、DNAの異常性を発揮します。

勝手に持ち出し、道路の真ん中でギャーギャー叫びながら
執拗にタモを振り回していたそうです。

ワタクシには届いています。
以心伝心、遠く離れていても分かるのです。
ええ、タモで何かを捕らえようとしていたのです。

網で追いかけていたものとは、そうです、シカに違いありません。
ああ、なんとケナゲなやつなんでしょう。

バカ爺にバカ孫、
文字通り、史上最強のおバカチームの誕生となりましょうか。